改めて書きますが転職活動は楽じゃないですよ

年末にさしかかったことが関係しているのか分かりませんが、12月に入ってから「公務員を辞めて転職したいです」というメールをさらによくいただきます。
そのなかで多い質問・意見が、
「どうすれば転職できますか??」
というものです。
まあ当たり前に気になる質問ですよね(笑)
このブログでも何度も書いたのでまたか思われますが、まず公務員からの転職の大前提として抑えておかなければならないことがあります。
それは、


『公務員から民間への転職』は『民間から民間への転職』とは比較にならない困難さがある

ということです。
本気で公務員を退職して転職されたい場合、まず↓の問題によく直面します。

・「役所で何かやらしちゃったの?」

→世間一般では安定した身分である公務員を自主的に退職する人は相当に稀な存在だと思われています。
そのため、何か役所内で不祥事など辞めざるをえないことをしたのでは?と疑われがちです。
私自身も「何か処分とか不遇にあったから起業されたんですか??」と何度か聞かれたことがあります(笑)

・「これじゃあ職歴にならないね~」

→残念ながら公務員時代の職歴や経験は民間企業ではほぼ何の役にもたたないと考えられることが一般的です。つまり職務経験ほぼ0です。
そのため転職エージェント(人材紹介のこと)や人事担当者から見た元公務員の価値は限りなく0円でしょう。
つまり、元公務員は新卒と同じく職務経験なし扱いを受けます。
いやむしろ、最近のアンチ役所・アンチ公務員の流れを考えると新卒よりマイナスイメージすら感じてしまう人もいるかもしれません。

・「で、何ができるの?」

→そして最後はこれ。
世間一般のイメージは、「公務員=仕事ができない」「公務員=苦労を知らない」「公務員=税金泥棒」など負のイメージで固められています。
つまり、「公務員もまともにできない人が民間企業で何やるの?何できるの?」と思われる訳です。
民間から民間の転職でここまで悪い先入観とも捉えられるイメージを持ちつつ転職活動をしなければならない業界や職種はそうないでしょう。
さて、ここから最初の本題「どうすれば転職できるか」ですが、今まで私が200人以上の公務員の方の相談に乗らせてもらい、実際に転職を成功させた方にはやはり共通点があります。
もちろん強い転職意志というのは不可欠ですが、2つの点が皆さんに共通しているように思います。

1)役所時代の経験をストレートに活かすことができる仕事

せっかく転職するのだから今までに経験したことのない世界、もしくは以前から関わりたかった業界で仕事をしたい、と思うのはまあ当たり前のことだと思います。
しかし、残念ながら上記の理由などから公務員の転職はそんな甘えをなかなか許してはくれません。
ただ一方で公務員時代に携わった専門経験を活かしてその分野で転職活動をするならば話が別になります。
以下は私がお会いした方々の中で実際に転職成功された事例です。
・関税関係の処理事務業務をしていた → 貿易会社の貿易事務に転職成功
・病院や診療所の監督業務をしていた → 病院の総合職へ転職成功
・介護保険の窓口受付をしていた → 介護事業者の事務職へ転職成功
・裁判所で窓口業務をしていた → 大手法律事務所の事務職として転職成功
・河川や架橋の建築監督業務をしていた → ゼネコンの指導員として転職成功
・ハローワークで求人受付と企業監督をしていた → 大手派遣会社の支店長候補として転職成功
もうお分かりのように、民間企業からすればその分野での行政制度や内情に精通している人材(ある意味情報内通者)はぜひ欲しい人材です。
「もうあの仕事関係だけはしたくない・・・違う世界に行きたい・・・」と思われるかもしれませんが、これも一つの現実として受け止めることは必要なことです。
2)公務員らしからぬスキルを持っている
公務員の中にはなぜか仕事とは関係なく、趣味の世界などでプロ並みスキルを持った職員さんが稀に存在します。
特にWEB好きな方に多いのですが、なぜか難解なプログラミング知識を持っていたり、趣味でWEBサイトやサーバーを難なく構築できるなどの人です。
また他にも趣味で難関資格を取得していて転職できたなどという事例もあります。
以上のように公務員からの転職は、まず民間から民間への転職と違い、かなり困難ということをまずは認識する必要があります。
もちろんこのような事例に当てはまらず、行きたい業界や会社に転職できた人もいますが、稀な事例と言わざるをえません。
それだけ公務員からの転職は難しいのが実情です。
あとちなみに、転職を有利にするために、TOEICや簿記、MOUS試験などを勉強したほうがいいか、という声もよく聞きますが、ここまで読んでいただいた方にはもう答えが分かると思います。
新卒や若い中途採用の話の次元が違いますので、元公務員が中途半端なTOEICの点数や簿記2級程度を持ち、転職活動で張り切ってPRしたところで何の意味もありません。
それこそ「これだから公務員ってやつは世間知らずというか・・・」と思われて終わりです。
今回はなかなか手厳しく書いてみましたが、公務員からの転職は苦労が前提ということをまず抑えてもらえればと思います。

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