フェリー「さんふらわあ」の感想

週末にフェリーで鹿児島の指宿(いぶすき)というところに22日まで帰省している。
指宿は母方の祖父祖母が住んでいて、年に1度のペースだ。



いつもは飛行機なのだけれど、今回は5年ぶりにフェリー(さんふらわあ)で帰省した。
子供が小さいことと荷物が多いので車で帰ったほうがいいかな、と思った。



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(5月に和歌山で見たイージス艦よりさんふらわあの方が遥かに大きい。ただ船内は老朽化がけっこう進んでいる感じで豪華さはあまりない。)



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(泊まった部屋。高速道路1000円の影響でフェリーは空いている。お盆なのに特別割引プランがあり、車一台と大人2名、1等船室貸切プランで往復67000円の安さ。2等寝台や2等ゴロ寝部屋はガラガラ。1等や特等が激安なので多くのお客さんが2等にはしないで1等にしたようだ。)



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(夕日と明石海峡大橋。外洋に出るまでは海は穏やかで風も心地よい。外洋に出る頃には真っ暗で天の川がハッキリと見えた。聖闘士星矢を読みたくなった。)



やはりフェリーは、高速道路1000円の影響をモロに受けているな、と今回乗船してみてほんとよくわかった。

5年前のお盆の頃は、予約なんてまず取れなかったなのに、今年は当日空席があるのだから本当に驚きだ。




ただ、個人的な感想だけど、乗船客が減っている最大の理由として高速道路1000円があるのは間違いないだろうけど、フェリー会社ももうちょっとサービス良くしたほうがいいのでは、とも感じた。



鹿児島行きのフェリーは、出航18時の到着翌朝9時というスケジュールなのだけど、ココ↓は今どき何とかしたほうが・・・と思う。



・レストランの営業時間は、17時半~19時半のたった2時間


・レストランはブッフェ形式1500円はいいのだけど、ほとんどがインスタント料理。隣のテーブルの家族が連れが「おいしくないね、、、」とブツブツ言っていた。確かに美味しくはない。


・売店は20時半で閉店


・大浴場も21時半で終了


・船内消灯は21時。こんなに早くは眠れない。


・朝食時間は7時~8時間のたった1時間。せわしすぎる。優雅な朝ではない。


そして何より、
・アルバイトの高校生?が働く気なし。勤務中はボーとつ立ってるだけで、社員が指示しないと動こうともしないのが気になって気になって。。。
しかも勤務時間外(夜21時以降)になると船員休憩室で大宴会で通路まで声が漏れまくり。どこかのおっちゃんが鹿児島弁で文句言っていた。




どうも今回、久しぶりにフェリーに乗って感じた大きな違和感としてフェリー会社は、フェリーの目的を『人員の輸送』としか考えていないのではないだろうか、ということ。


以前に乗ったときよりも、全体的に経費節減なのか、ひなびた感じがプンプンとするのが残念だ。


例えば、海外旅行のツアー選択の際にはよく

『○○航空の機内食はイマイチらしいから、□□航空の方がいいんじゃない?』
『△△航空はシートごとにモニター付いているから到着まで暇しなくていいわ』

などちょっと追加代金がかかっても基本料金の航空会社ではなく、自分のニーズに合いそうな航空会社を選びたくなることも多いはず。


これは、飛行機を単なる移動手段ではなく、飛行機に乗ること自体も旅行の目的(楽しみ)の一つになっているからだろうと思う。



自分みたいな乗り物好きな人間や、子供などからしたらフェリーに乗ることも立派な『楽しみ』としての目的になるので、もう少しワクワクさせてくれよ、と思ってしまうわけだ。



高速道路1000円は確かに大変だし、民主党の高速道路無料が本当に実施されたらフェリー会社の経営は成りたたくなるのも心配だけど、航空会社や新幹線が『乗ること自体を楽しんでもらう』という努力をしているように、フェリーにお客さんを乗せることを、『輸送』ではなく、乗ること自体を楽しみとしてもらえるような方向にちょっとでも向けてもらえれば嬉しい。




上の自分がちょっぴり不満に思ったことも、例えば、

夕食時間をせめて21時くらいまで延長し、料金が高くなっても問題ないので、もっとご当地ものや、ホテルブッフェのような『船旅の贅沢さ』を感じられるものにしてもらえたら嬉しいし、夜中に缶ビールじゃない色々なお酒が飲めるバーもあれば嬉しい。


自分のような庶民は、飛鳥のような豪華客船にはなかなか乗れないけれども、さんふらわあには乗れる。でもたまにしか乗れない(乗らない)のだから、その時くらいは船旅を楽しみたい。



そうなると、何でもかんでも21時前後に終了というのはあまりに寂しすぎる。
21時に消灯で寝ろ、って修学旅行のような制限ある旅行でもないし、寝台列車のような狭い空間でもないのだから、大きな空間の船内で楽しませて欲しい。



飛鳥には乗れないけど、さんふらわあには乗れる、というお客さん向けにフェリーに乗ることを自体を目的とする『プチ贅沢』なサービスを提供してほしい、と今回ひさしぶりに乗って節に思った。



この高速道路1000円のご時勢にフェリーで鹿児島行こうと思うお客さんに、船内でどこまでもケチケチで節約しよう、と思う人はそこまで多くはないだろう。




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