役所時代の変な飲み会のしきたり

先日、公務員を辞めたいという個別相談をいただいた20代前半の現役公務員の方から、相談時にこんなお話を聞きました。


『職場での飲み会に参加するのが嫌で嫌で仕方ないのです。
上司から宴席マナーをコンコンと言われ、まるで説教を受けるために飲み会に参加しているようなものです。
こういうことも職場にいまいち馴染めない理由の1つなのかもしれません』


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あーーこれはよく分かります。
私も全く当時同じでしたから(*_*;


私も公務員なりたての一年目にあたった直属の係長がそれはそれは宴席マナーに厳しい人で、他の説教事と合わせて、もう毎回毎回2時間たっぷりとしごかれていました(笑)



私がこんこんと言われていたのはこんなことでした。

・新人は食事なんてするな。飲み会の2時間はビールを持って回れ。お世話になっている上司や先輩方に挨拶をするのが飲み会での君の役割だ。食事は二次会でしたらいい。

・新人は、みなさんのグラスの空き状況を常に観察し、空になる前に「おかわりどうされますか?」と聞くようにするのが当たり前のこと。

・生ビールなんて注文するやつがいるか!職場の飲み会は瓶ビールに決まってるだろ。

・他の飲み物は上司の皆さんがそれを飲んでたら飲んでもいいが、基本は瓶ビールだ。

・瓶ビールはラベルを上に向けて、「いつもお世話になっています。」「いつも、ご指導ありがとうございます。」と言いながら注げよ。

・瓶ビールの持ち回り順には気をつけろ。必ず目上から順番に回るようにして、決して順番を間違えるな。

・これがしっかりできるかどうかで君の評価は左右される。私は常に見てるからな。




まあなんというか、ホントどうしようもなくつまらないマナーというか、意味不明な宴席マナーだったと思います(笑)

いま思えば、

・なぜ同じ職場で働く上司に「いつもお世話になっています」と挨拶しにいく必要があるのだろう。

・なぜ新人は食事もせずに上司を接待する必要があるのだろう。

・なぜ瓶ビールしか呑んだらダメで、なぜラベルを上に向けないといけないのだろう。

・こんなつまらないことでしか人事評価できないのは問題ありありでは!?

と疑問だらけです。

ただ、当時の私はまだ社会人なりたてのピュアな人でしたので(笑)、こういうしきたりがある意味組織の当たり前なことと少々洗脳され、頭の中では「これっておかしいだろ、こんなこと必要なのか?」と思いながらも嫌々でもやっていました。



むしろ、しっかりやらないと、二次会でも引き続き直属の上司から、

「須田くん、君、今日も回るタイミングおかしかったね。
宴席が始まったら15分くらいしたら、瓶ビールもって挨拶に回らないといけないだろ。
前回も注意したよね?

お世話になっている上司に注ぎにいくのは新人の当たり前のことだろ?
上司の皆さんはそういうことをしっかり見ているだから。」


と更なる説教が始まり、結局一次会、二次会通して計4時間から5時間の説教となる訳です。
当時はもうこれが嫌で嫌で、職場の飲み会に参加するのが毎回毎回苦痛で仕方ありませんでした。



ちなみに宴席に参加していた話しやすい他部署の上司にこの悩みを一度打ち明けたことがありましたが、


「え?そんなの私も課長も誰も気にしてないぞ。
課長なんて酔っ払ったら何一つ覚えてねぇぞ。

ほんと君かわいそうだねー
まあ、(あたった上司の)運が悪かったと思って我慢するしかないわ。来年には定年だしさ。」



と(-_-;)
まあこういう社会の厳しさを経て、人は強くなっていくんだなと。。



ところで、最近のニュースを見ると、社会人新人の皆さんが、

・職場の飲み会には参加したくない
・好きなものを食べたい飲みたい
・上司のご機嫌を伺うのではなく、自由に飲みたい

という記事がよく見られますが、ここまでヒドイものでなくても、口うるさいおっさん連中が未だにいる限りは、若手が職場の飲み会に参加するのが嫌なのも仕方ないかなと思います。
職場飲み会で、説教しかできない上司や愚痴しか言わない上司はもはやどうにもならない残念な人だと思います。


ただ、私自身、この口うるさい上司から他の事も含めて、散々厳しく指導されましたが、その全てが無駄だったという訳ではなく、今となっては厳しく指導いただいて良かったな、と思うことも多々あります。

仕事の基本姿勢などは非常に厳しく指導いただいたおかげて、今でも初対面の人や一緒に仕事をする方々から評価を受けることも多いので、その点では大変深く感謝していますが、こういうどうでも良いつまらないことに口うるさく言うのは、もはや時代の流れに合っていないのかなと。



そんな訳で起業してから社長という立場になった飲み会では、私はスタッフに対しては宴席マナーはもう最低限のことしか何も言いません。
いや、ほとんど何も言わないことの方が多いかなと思います。

仕事のことで指導する必要があるものは勤務時間中の指導に限り、宴席は仕事以外でのスタッフとのコミュニケーションを図り、スタッフの微妙な変化に気づき、今後の対応を作るきっかけの場だと考えています。


ちなみに、私のこの記事のような、口うるさい上司に悩まされている人も多いと思いますが、将来、その一部が役に立つこともあると思いますし、何よりそういう口うるさい上司も永遠にいる訳ではありません。
いつか上司が異動するか、自分自身が異動し、離れられるのが役所の人事組織のいいところでもありますので、どうか一時期のことと我慢してください。

職場への宴席参加が嫌という主理由で公務員を辞めたという人はさすがに見たことありませんが、一時期たまたま一緒になった上司のせいで、公務員を辞めるにはちょっともったいない理由かなと思いますよ。



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元地方公務員から起業した社長ブログ
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