公務員から起業を目指される場合、私の個別相談で起業相談を申し込まれる方で多い起業アイデアは、

 

・最短、勤続17年で行政書士資格が取得できるので行政書士として独立。

・長年税務や経理関係の仕事に携わってきたから社会保険労務士やFP（ファイナンシャルプランナー）として独立。

・WEBデザイナーなどフリーランスとして独立。

 

などです。

もちろん余計なリスクや支出をかけずに、手堅く起業するのは起業のセオリーです。
私もそれには大賛成です。

ただ、どうもお話をお伺いしていると様子がおかしいのです。

 

なにがおかしいかと言えば、そのお話しされる表情が

 

楽しくなさそう・・・

 

なのです。

 

表情が沈んでいるように見えますし、これくらいなら自分でもできそう、まあまずは無難なところで・・・　という妥協点を見出しながらお話しているような気がする訳です。

 

こういった事例は本当に多く、だいたいそういう場合、私はこういうことを聞きます。

 

◯◯さんがされたいことはおよそ分かったのですが、

 

それは本当に◯◯さんがしたいことなのですか？？

 

本当にそれをこれから先の生業（なりわい）としてやっていかれていいのですか？？

 

実際できるかどうかは別として、本当は別にやってみたいことがあるんじゃないですか？？

 

 

このような感じで聞きますと、その瞬間に何かのスイッチが入るのか、多くの方が本当の夢を語られ始めます。
ここ最近では、

 

・本当は離島や田舎暮らしをし、そこで地元野菜を使ったカフェをしてみたい。

 

・本当は鉄道が大好きなので鉄道に関わるビジネスをしてみたい。

 

・本当は心に悩みをもっている人を私の得意のヒーリング音楽で癒やすような仕事をしてみたい

 

など、大変情熱を持ってお話いただけます。私もお聞きしていて大変興味津々となります。

 

私は起業で最も必要なものは、ありきたりかもですが、その仕事を心からしてみたいという『情熱』がまずは最も大切だと考えています。

 

人は本当にやりたいことなら情熱を持って取り組めますが、実はそうでもないということには、やはりなかなか本気で取り組めないものです。

そして、壁にぶち当たるとすぐ挫折しがちです。

 

もちろん先に書きました行政書士や社労士、WEBデザイナーなども大変崇高な職業なので、本当にその業務をしたいのならそれは素晴らしいことです。是非目指すべきです。

ただ実際には別にたいしてしたい仕事ではないケースも多くあり、そうならばその道でいいのかを再度考えなおすべきではないでしょうか？

だって、公務員を辞めるんですよ？

福利厚生・待遇で民間の追随をそうそう許さない公務員を辞めてまで、挑戦しようとする仕事ですよ？

本当に好きな仕事、やりたいことをやらないのなら、公務員を辞める必要ありますか？

平たく言いますと、公務員を辞めるとはこういうことです。

 

・公務員を辞めると、基本的にはもう二度と公務員には戻れません。
・公務員より安定し、かつ待遇の良い民間企業はまず存在しません。
・これから先、世間からとりあえず「あー公務員辞めた人ね」とずっと変わり者扱いでみられます（笑）

 

何だかんだと言っても大変働きやすい公務員を退職してまで起業するのですから、私としては本当にやりたい仕事で起業をまずは目指すべきだと考えます。

そうでないと、一体何のために起業するのか分かりません。

 

ただそうは言っても、現実的に起業とは残念ではありますが、

 

やりたいこと　→　収益をあげるのは難しい　→　事業継続が難しい

 

という構図が成り立ちやすいのも事実です。

 

ちなみに私は起業当初、なんとなくフリーペーパーを発行したいなと思い、フリーペーパー事業で起業をしました。
ただ、計画性のなさ、スキルの低さ、たいした情熱のなさなどで発行から数ヶ月で早々に撤退しました。

しかし、この失敗から得られた教訓と経験を次に活かし、やりたいことを見つけ、情熱を注げられた結果として公務員を退職してから今で13年目ですが、ここ最近はずっと経営している会社は全て黒字経営を達成できていますし、いま現在も大変充実した毎日を遅れています。そして、公務員の生涯賃金分以上は十分稼ぐことにも成功しています。

 

一度きりの仕事人生ですし、それこそ公務員から起業というとんでもなく馬鹿げたことをやろうとしている訳ですから、もっと本当にご自身がしたいことにまずは着目し、成功できる道筋を作ることができないかを考えてもいいのではないでしょうか。

起業前から挑戦する気持ちを忘れ、「まあとりあえずは・・・」と失敗を恐れるのではなく、まずは何をやってみたいか、何に挑戦してみたいか、から起業という選択肢を考えてみませんか。

 

これから馬鹿げたこと（公務員から起業）をやろうと思われている訳ですから、周囲からどう思われようが気にする必要なんてありません。

ちなみに私は退職間際、上司から「まあこれからテキトーに頑張れや。野垂れ死にせんようにな。困ったら生活保護申請してこいや。ハハハ」と思いっきりバカにされましたが、今となっては良い思い出ですし、良い笑いのネタを提供してもらったと思っています（笑）

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元地方公務員から起業した社長ブログ
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