気持ちは分かるが。だがな・・・

7月3日の産経の大阪府庁に関する記事
>橋下“人件費削減”発言に9割反発
そりゃそうだろ。
誰だって自分の給与が下がることを喜ぶやつなんている訳がない。
これは役所でも民間でも全く同じ。

ただ、公務員には「覚悟」がそろそろ必要。
2年前に大阪市役所を辞めて、会社を起こしもうまもなく2年が過ぎますが、このたった2年間の間だけでも、「役所では見れない民間の姿」を様々見てきました(見せられてきました)。
ものすごい勢いだな、って思っていたらいつのまにか資金繰り悪化で倒産した会社、
社員が会社のお金を全て持って夜逃げされた会社、
倒産間近になり社員ボーナスは当然に全額カットし、給与をギリギリの幅で削減して倒産を乗り越えた会社、
社長が夜逃げし、給与をもらえないまま路頭の迷ったスタッフさん、
公務員時代では決して見ることができなかった民間の会社というものの「生の姿」に何度ビビったことか。
翻って大阪府の状況を考えてみたら、橋下さんの言うとおり、誰の目から見ても「倒産間近」の状況にあることは間違いありません。
倒産ですよ、倒産。
倒産しかけの会社が、満額のボーナスに給与に待遇カットは一切なし、これからも終身雇用をお約束します!なんていう話は聞いたことがありません。
そもそも会社がなくなったら、給与はもちろん「雇用」すら保証されなくなるのだから倒産しないためのあらゆる「リストラ」は多少なりとも嫌でも受け入れざるを得ません。
しかし、実際には、役所の中で「うち(自治体)が倒産?する訳ないやろ」というが当たり前の感覚になっています。
私も大阪市役所時代には、
「役所が倒産する」
「公務員がリストラにあう」
「数ヶ月先の雇用が保証されていない」
なんてことは到底理解できませんでした。
というのも、これは当たり前といえば当たり前の感覚。
なぜなら、役所の中で「民間の倒産」や「リストラ」を見れたり、経験できたりすることなど極めて稀なので、不幸な出来事をイメージできる訳がないんです。
『実際に自分で経験しないことなどいくら考えても頭の中の空想でしかない』のと同じこと。
まあ、なんにせよ大阪府の状況はどこからどうみても危ないことには疑う余地がありません。
給与削減に反対する気持ちは当たり前に理解できますが、いま理解しないと「第2の夕張市」になってからでは遅いんですホント。
会社倒産した人の顔を一度でも見てしまったら、公務員の自身に対する給与・待遇への考えがいかに甘いものなのかを考えざるをえません。
今こそふんばりどきですよ!
追記:記事の中で、
>「職員の人件費の大幅削減が不可欠」と発言している点についても、妥当とする回答はわずか5・7%
この人たちはすごい。
まだ6%弱もいるんだったらまだまだ役所を悲観することじゃないですよ。

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