【公務員からの教え 3-11】 気持ちを入れ替えていこう

GWが明けて今日から本当の公務員生活がスタートする。
GWのおかげというのはおかしい話だが、この1週間近い連休のおかげでどうにか気持ちも落ち着いてきた。
まだすっかり元通り元気になりました!まではいかないまでも、60%くらいまでには気持ちも回復してきたかもしれない。
やはり心の傷を回復させる特効薬は「時間」なのだろうか。

結局のところ希望の配属先に叶わないどころか、まったく意中外の保健センターに配属されたのは未だに不本意ではあったけど、もう決まってしまったものは仕方ないし、将来、経済とかベンチャー関係の仕事に活かせるような何かを得られるかもしれないと考えようと思った。
それに市民と接する窓口業務がある「現場」ももしかしたら楽しいかもしれないし。
違う形で考えれば学生時代にけっこう興味のあった旅行会社の窓口業務と同じようなものだろう。多分。

『学生時代に思い込んでいたすがすがしい爽やかな出社イメージとは違うけど、とりあせず頑張って出社しよう。行かないことには始まらないよな』

1時間の通勤電車に揺られ庁舎前に到着。
やはり改めて見ても古いおんぼろ庁舎だ。
今にも崩れそうだ。
庁舎に入り『おはようございます』と挨拶をし、自分の席へ。
そしてすぐさま課長、課長代理、あの係長の元に向かいお礼の挨拶をした。

『この前は歓迎会を開いていただきありがとうございました。本日から精一杯がんばりますのでよろしくお願いします。』

と。
歓送迎会のあとにきっちりお礼の挨拶をすることは学生時代のサークルの先輩などから指導されていたこともあったので、最低限のことはできたかなと思う。
たぶんこれをしなかったら、朝っぱらからあの手島係長の説教が始まるのでは、と恐怖もあったし(笑)
そして、この前の二次会で説教?小言?をされまくった係長もこの挨拶回りは良かったのか、
「その調子で頑張ってね」
とニコリと微笑まれた。
この笑顔は優しそうでいいのに・・・
読めないぞ・・・この人は・・・
さて、今日から本格的な公務員としての仕事生活が始まるわけだけど、そもそも一体何をしたらいいか分からない。
GW前の配属初日に具体的な話は何もなかったから。
そこで隣の席に座っているいかにもしっかりしてそうな40歳くらいの女性職員さん、小山田さんに聞いてみた。

『すいません、、、あの、、今日から僕の仕事は何をしたらいいでしょうか?』

とあまり格好のよろしくのない質問をぶつけてみた。
すると、あっ、言うの忘れてたという感じをとっさにされ、
「ごめんね、わたし言い忘れたわ。すだくんの仕事は庶務全般ね。わたしもだいたい分かるからわたしが教えてもいいんだけど、今日のお昼から前任者の多田君が引継ぎにくるから。
そうね、それまでは・・・
今度の3ヶ月検診の封筒詰めとのり付けでもしといてもらおっか。」

またのり付けかよ・・・もしかしておれの仕事ってのり付けばっかじゃないよな・・・
と内心思ったものの、何一つまともに仕事がまだできない新人なので仕方ないと思いさっそくやることにした。
さっそく準備し、封筒詰め(封筒にA4サイズの案内書類を3種類)とのり付けを始めようとすると、向かいに座ってる派手な雰囲気の30歳くらいの女性職員、村田さんが声をかけてきた。

「あはっ、すだくんごめんネ~ 母子担(母子医療関係の事務担当者のこと)はわたしなんだけど、封筒入れやってもらって。まっ、まだひまだからいいよね~!?」

『あはっ』ってどんだけ軽いねんこの人は、と思ったものの、配属されたばかりの新人が先輩に逆らうことは役所でも民間会社でもご法度だろう。
『大丈夫です。お任せください!』
と気合を入れたフリで応えてみた。
まあ村田さんは、雰囲気が派手なだけじゃなく、容姿もキレイな感じの人なんで、愛想よく言われると悪い気はしない(笑)
ただやはりというかおもしろい仕事ではない。

『なんか、おれアルバイトみたい・・・』

と心のなかで思いながら黙々と作業を続行する。
すると、窓口から「スイマセン~」と声がかかった。
窓口はちょうど私の背中側なので、振り返らないと窓口は見れない座席配置。
振り返ると若い20歳前半くらいの人が窓口に立っていた。
すると隣の席の小山田さんが私をちらっと見て、「多分母子手帳だから、とりあえず出てみいよ須田くん」といってきた。
『えぇ??母子手帳??何ですかそれ??窓口業務なんてまだ「まどくち」の「ま」も教えてもらってないですよ!!
まったくなんも分からないですよ!!』
と思ったものの、窓口にでない訳にはいかなそうだったので急いで言われるがまま出てみた。
『えーと、おまたせしました・・・』
あれ、「おまたせしました」でいいのかな、いっらしゃいませ? おはようございます? はい、何でしょう? 
あれ?何て言って窓口に出るんだ??

さあ、これが生まれて始めての窓口業務の開始だ。
続く。

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