【公務員からの教え~1-15】 合格発表後の懇親会

晴れて合格通知をもらい公務員になることが決まってから3ヶ月ほどしてから合格者を集めた懇親会が行われた。
懇親会には現役の大阪市役所の役職ある課長クラスも参加し、丸いテーブルに6人くらいの合格者と現役公務員が2名くらいの割合で配置された。
丸テーブルは全部で10~15くらいあっただろうか。

まあ懇親会といっても単なる「お食事会」で、食事を食べながら現役の方のお話を聞いたり、悩み事相談をしたりという本当に気軽なもの。
来られている現役の方も仕事で来ているので(来させられている)、一人ひとりの合格者に対して、
「なんで公務員になりたかったの?」
「どこの部署にいきたいの?」
など質問を順番にしていた。
私も当然同じ質問を同じテーブルの課長にされたので、
「大学院でベンチャービジネスを勉強していまして、ベンチャービジネスの考え方と役所の考え方を結びつけたら新しいモノや価値観が創造できるのではないかと思い公務員を志望しました」
と答えた。
実際に本当にそう思っていたから。
あと内心もしかしたらここで現役の方に興味をもってもらえたら、配属の際に何か有利になるのでは?という甘い打算もあったのは内緒。
この私の回答に対して現役の方は、
「それは素晴らしいね。いい公務員になれるだろうから頑張ってくださいよ。配属はどこが希望なの?」
とさらに突っ込んだ質問を投げかけてもらえたので、私もしめしめと(笑)、
「できれば勉強したことが活かせるような経済局や計画調整局など行政の中枢部を企画立案しているような部署に行きたいです」
と答えた。
すると、
「なるほどね。それは行けたらいいね~。頑張ったら行けないことはないと思うよ」
と嬉しいコメントがでてきた。
当時の私はまだ右も左も分からない単なる新人以下の純粋な存在だったので、この現役課長の言うことをけっこう真に受けてしまい、
「もしかして希望配属先に行けるんちゃうのおれ?」
みたいなちょっとしたテンションの上がりがあった。
ただこの数カ月先になってよくよく考えてみれば、この現役課長の配属先は、人事関係とは何も関係のない港湾局関係の課長さん。
つまり新人の人事に対して何ら力がある訳でもないだろうし、そもそも仕事でこの面倒くさい新人懇親会に嫌々来ているだけなので、いちいち新人の言うことに対してまともに取り合う訳はないだろう。
いや、取り合うほうがおかしい。
新人なんてものは「何がしたい」「どこの職場で働きたい」という希望を言えるほど仕事のスキルを持ち合わせてはいないものなので、まずはどんな仕事であれガムシャラにやって何でも吸収すべきだ。
と思えるようになったのは、この数年先だけど(笑)
でも当時の何も世の中の仕組みをまだまだ理解できていない私には、「もしかして希望配属先に行けるんじゃ・・・」という甘い期待を抱かせるには十分な出来事だったと思う。
まさに今思えば、
「認めたくないものだな…、自分自身の…若さ故の過ちというものを…」
ということか。
公務員として働くまで残り4ヶ月。
緊張はなく配属先と仕事への期待感が高まりつつあった。
続く。

Pocket

コメントを残す