FX(次期戦闘機選定)の行方

今月になり日本の次期戦闘機(FX)の選定作業に関係する最新ニュースが続々と入ってきている。

FXとは航空自衛隊の次期主力戦闘機導入計画のことで、退役間近のF-4戦闘機に代わる戦闘機を選定する計画のこと。
現在は選定の最集段階に入っていて今年11月までに↓の機種決定される予定になっているが、決定の先延ばしを繰り返し、本当に年内に決まるのか怪しいところ。

・F-35 
アメリカ推奨のステルス戦闘機。1機約85億円。ただし未完成

・ユーローファイター 
欧州共同開発機。1機約40億円。
・FA-18E/F 
アメリカ。1規約82億円。

アメリカとの政治的な関係からほぼF-35で決まりと思っていたら、
◎米F35、開発コスト10年で倍増 「負担できない」と米国防総省
http://www.afpbb.com/article/politics/2801376/7239589
◎次期戦闘機、F35絶望的に 開発間に合わず
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011052001000200.html
と雲行きが急に怪しくなってきた。

ただ元々F-35は、アメリカを中心とした共同開発なので、各国の要求や米軍内での要望を聞いているうちに訳の分からない状況になっている。
例えば、米軍内だけでも3つの仕様がある。
・F-35A
→空軍仕様。要撃戦闘能力のためステルス性とは相性の悪い機関砲の装備を求められている(ステルス機の場合、搭載兵器はレーダーに探知されにくくするため通常は格納されている)。
・F-35B
→海兵隊仕様。垂直離着陸能力(エンジンを地面に折り曲げ垂直に離陸したり着陸したりできること)を求められている。
・F-35C
→海軍仕様。空母への搭載を前提。

これに他の共同開発国の要望も聞いているうちに、どんどんと開発予算が上がり、いつのまにか当初の1,5倍になってしまった。
そして、遅れている最終運用試験が2017年からと一体いつ完成するのか見通せない状況になっている。

そんな中、中国でもステルス戦闘機の開発が盛んに行われいてついに「殲(ジェイ)-20」なる戦闘機が完成に近づいている。
どうせ、アメリカのパクリ戦闘機でしょ、と思われていたらどうやら違うらしい。

米国「中国の殲-20はF-22の性能に匹敵」
http://japanese.joins.com/article/826/139826.html?sectcode=&servcode=

F-22とは、F-35の上位機種で現在の世界最高ステルス戦闘機。
日本も本来これを導入するはずだったが、アメリカが機密情報漏洩を恐れ、国外輸出禁止にしたうえに、1機の価格が約200億円と高額になってしまったので、オバマ政権下で量産化が打ち切られた半幻の戦闘機。

結局、殲-20の性能がこの記事通り本当で、FX選定機種よりも上回っているのなら、この3機種から選んでも制空権の争いには不利になるかもしれない。
ちなみにロシアも近々ステルス戦闘機の完成間近となっている。

そして、日本がFXの選定でああだこうだしえいるうちに、3月11日の震災後、ロシアや中国の領空侵犯が急増中。
領空接近 ロシア機1・5倍、中国は2倍 自衛隊苦しい二正面作戦
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110409/plc11040901300000-n1.htm

これから決定までの残り6ヶ月。
順調に決まるとは思えないので、どの機種になるのか気にしていきたいと思います。

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