2017年の美容業界の予約サイト(アプリ)の流行り 後編

前回の続きです。
美容業界の集客サイトとしては圧倒的にホットペッパーが現状優位な立ち位置ですが、ここ最近はこの2社のサイト(というかアプリですが)が頑張っています。
というより是非もっと頑張って欲しい。

1)minimo
https://minimodel.jp/

あの伝説のSNS、mixiが運営しているサービスです。
mixi、なんと懐かしい・・・

この前、久しぶりにログインしてみたら、友だちの数人しかアクティブユーザーがいなくて過疎化してました。
いや、もはや過疎化というか限界集落になってて時代の流れを感じさせずにはいられません。

起業時など、その節は仕事でも大変お世話になったので、どうにかこれからもサービス継続目指して頑張って欲しいです。


で、このminimoというサービスですが、ホットペッパーや楽天ビューティーが店舗単位で情報掲載し、店舗に対して予約をしてもらう仕組みなのに対して、美容師やネイリストなど個々スタッフが個人として登録と情報掲載し、その個人に対して予約をしてもらう仕組みです。

「お客さんはスタッフに付くもの」という前提でのサービスなので、技術が良さそう、いい人そう、身につけてるものがカワイイ!など個人を全面に打ち出した(打ち出せる)集客が特徴です。


けっこう予約数も多いようで、ホットペッパー並に集客できているサロンもあるのだとか(本当かは知りません)。

課金の仕組みも予約があれば課金という成果報酬制なので、ホットペッパーのように毎月必ず数十万円がかかるという仕組みでないのでいい感じです。


ただ、掲載前提が「個人スタッフ」単位なので、法人には正直使い勝手が悪いのが難点かなと感じています。

法人の場合、その店舗にスタッフが5人いれば、5人それぞれを登録し管理しないといけませんし、中には「そんなところに登録したくない」「個人情報を色々出したくない」「そもそも面倒くさいから会社がやってほしい」というスタッフも少なくないと思います。

一応、minimoに掲載の問い合わせしたら、法人用の店舗管理ツールもあるが、やはりアプリの前提として店舗単位ではなく個人単位での登録やPRを前提として構築しているので、効果(予約数)としては落ちる、できれば個人単位での登録を強く推奨しています、ということでした。


法人の立場からすると、個人登録と比べ多少予約数が落ちるのは別に何の問題もないのですが、それよりも個人単位というころがやはり気になってしまいます。

例えば、とあるスタッフAさんがminimoに登録し、毎日ブログを更新したり、掲載情報を充実させたりして集客に成功したとします。
そのおかげで予約が増え、その店舗も会社も潤うことになりました。

ただ、Aさんが急に退職することになり、仕事の後任はBさんがすることになりました。
すると、Aさん目当てで予約をしていたお客さんは、Aさんが目当てであって、その店舗やBさんに特に興味があった訳でもないので、予約数が激減。
しかもAさんがどんな集客をしていたり、どんな内容を書いていたのかは個人単位のminimoでは十分に把握できず困ってしまう。。

ということが起きるでしょう。


さらにAさんが以前に集客していたお客さんからは、

・Aさんはminimoにこういうことを書いていたから今回も来たのに、Bさんができないとはどういうことですか?
・Aさんのブログには◯◯キャンペーンしてます、ってあったのに、そもそもそんなのないってどういうことですか?会社は把握していないってことですか?
→何を書いていたのか細部まで店舗や法人が把握すらできないリスクがある。

・Aさんとminimo内で色々やりとりしていて、今でもメッセージが来たり、新しいサロンに誘われたりするんですけど・・
→顧客情報、つまり個人情報の管理所在が曖昧。
店舗や法人が知らないところで勝手にお客様と話しが進み、お客さんの個人情報を十分に守れないどころか、把握できないリスクがある。


というリスクも想定されます。
そのため、とりあえずminimoでの集客は今は私のサロンでは控えています。
個々スタッフが勝手に集客策を始めると、法人の場合は把握できないうえに、情報管理に責任が持てなくなるんじゃないかと。。


結局私の場合、店舗が6店舗ありますので、どの店舗も同一のサービス、クオリティとしてお客様に提供するのが大前提なので、スタッフ個人単位で見えないところでどんな活動をされるのか把握できないminimoはちょっと使うところが怖いかなと思います。

お客様とminimo内で何かトラブルがあった際、「弊社としてお客様がされたminimo内でのやりとりには責任が持てません」というのはちょっと通じないでしょ、と考えている訳です。

つまり、現時点ではminimoは個人サロンや小規模法人向けのサービスで、ちょっとそれなりの規模になっている法人が使うにはリスクあるかなと感じていますので、もう少し様子をみたいと思っています。



2)Popcorn (ポップコーン)

https://popcorn.coubic.com/

最近とてもよい勢いで伸びている直前予約アプリです。
特徴としては、当日・直前予約だけに特化しているということ。

どうしても予約が入らなかったり、急なキャンセルで予約可能枠がガバッと空いてしまうことはどのサロンにもあることです。
そんな直前の時間だけを狙っている予約アプリなのですが、私的に最も素晴らしいなと思うのがここ。


https://popcorn.coubic.com/partners
「事前決済予約でドタキャンなし!集客も最大90%UP!
お客様はクレジットカードで事前に決済して頂くので、いったん予約された枠はキャンセルなし。お会計ナシで、来店処理もスムーズになります。
※クレジットカード手数料は弊社が負担致します。」


なんとまあ素晴らしい。
事前決済してくれるなんてサロン側にとって最高ですよ。

事前決済、別にサロン側から見れば会計時の手間が減るとか時間短縮になるとかそんなのは別にどうってことはないです。
断トツ素晴らしいと感じるのは、無断キャンセルが減ることです。


先日、大手格安系ネイルサロンで働いている方がうちのサロンに応募され面接した際のことですが、そのサロンは大型店舗ということもあり、1日に100人ほどホットペッパーから予約が入るそうです。
でも実際にはその予約者が全員来る訳ではなく無断キャンセルが非常に多かったと。

日によっては予約者の半数が無断キャンセルで来ない日もあったそうです。
予約したならキャンセルする際もしっかり連絡もらうかホットペッパーからキャンセル処理してよ、それが普通なことでしょ、とサロン側は思うわけですが、なかなかこのご時世、それは通用しないようです(-_-;)


そうなると、もはや来ること前提の予約システムではなく、来ないこと前提の予約システムなので、そのサロンではお昼休憩時間の確保もなく、無断キャンセルがどうせ発生するからその時間が休憩時間だったそうです。
なんともまあ・・・


このようにホットペッパーを使うと確かに予約は多いのですが、なにせ来ない人が多いのは疑いようのない事実で、私のサロンも大変困っています。
気軽にWEBから予約できてしまいますし、実際にキャンセル料を明記しても、来ていない本人からどうやってそれをもらうんだ、ということで、ほぼどのサロンも泣き寝入りしていることと思います。
年間を通してこの無断キャンセルを算定すれば、もうかなりの損害額にどのサロンもなっているのではないでしょうか。


一方でこのポップコーン、事前決済なので無断キャンセルされても100%サロン側がその損失を被ることはないようです。
なんと素晴らしいのでしょうか。

しかも営業担当者言うには、近日中にホットペッパーの管理画面と予約状況の自動同期化ができるということだそうです。
そうするとかなり予約管理が楽になるかなと思います。
※ただし、どういった方法でそれを実現するのかは謎。先日のブログでも触れましたが、リクルートがAPIを公開しない以上、半ばハッキングのような方法しか予約情報を同期化させる方法はないのではないかと思います。

ホットペッパーもバカ高い掲載料をサロン側に求めるなら、無断キャンセル対策として事前決済システムとか最低の補償制度とか整えてくれよと本気で思います。
リクルートくらいの会社規模なら本気でやればどうってことなく可能でしょ。
自前クレジット決済システムも持ってるんだし。。


結論としては、私の周りのサロンさんでは、minimoやポップコーンなどホットペッパー以外も合わせて使う流れが今年はますます加速していくことと思います。
その結果としてしっかりとした「競合」が発生してくれれば最高ですね。




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