WELQから参考になるSEO対策とは?

記事の信憑性などが前々から話題になっていたキューレーションメディア「WELQ」ですが、ついに閉鎖になってしまいましたね。

DeNA、9メディアの全記事非公開に 「WELQ」問題を受け
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161201-00000072-zdn_mkt-bus_all

DeNA、医療情報サイト「WELQ」全記事を公開停止 「信憑性薄い」指摘受け
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/29/news142.html

そして、合わせてDeNAが運営していた他8サイトも閉鎖になりました。
個人的には中でもFind Travelとかは旅行や出張でも何か見どころを調べる際にちょくちょく検索結果に表示され最も見たことのあるサイトではあったので驚きを感じました。
まあ、そもそもDeNA運営サイトということを今回の件で初めて知ったくらいですが(笑)


さてさて、そんなWELQたちですが、今回のニュースをきっかけにそのSEO対策がクローズアップされています。
確かに何を検索してもよく検索結果に出てきていましたので、SEO対策好きな自分としてもどういった対策手法を取っていたのか大変気になるところです。

という訳で、恐らくこんな感じの対策をしていたんだろうな、という感じでちょっと調べてみたのでその内容を箇条書きでまとめました。
実際に合っているか間違っているかは分かりませんので(笑)、参考程度にお読みください。


キューレーションスパムという手法
WELQが行っていたSEO対策は、SEO業界では「キューレーションスパム」と呼ばれている手法で、グーグル的にはNGではないが、ぎりぎりなグレーなところを狙った手法です。

では、どんな方法かと言えば「手動な自動生成」と「リライトによるコンテンツ複製」というやり方です。


ページの自動生成やコンテンツ複製は一時流行ったSEO方法で、ページボリュームこそがSEOの命!という考え方に基いている手法です。

プログラムを使い自動でページを大量増殖させリンクをそこから貼ったたり、他サイトから同じようなコンテンツを真似て大量に複製することで、グーグルに対して「どう?うちのサイト、ボリュームたっぷりでしょ?ついでに被リンクもすごいよ」と訴えることで検索上位を狙います。

ただ残念ながら、誰が見てもカスみたいな内容のコンテンツが大量にあるのは明らかなので、グーグルも早めに対策し、今では完全にSEOスパム行為としてNGです。

ちなみに、今も自動生成、コンテンツ複製を行うとグーグルが怒りますが、どのサイトのどのコンテンツがオリジナルコンテンツなのかグーグルは分かっているのか、と皆さんよく思われると思います。
これについては、しっかりとどのサイトがオリジナルなのかはグーグルは把握できています。
そのページや画像がWEB上に上がった日時など更新情報で把握しています。


さて、ではどうやってWELQはこのNG行為にならないよう回避していたのでしょうかか。
実際にどうやっていたのかはもちろん公開されていないので推測の域もありますが、恐らくはこんな感じで行っていました。


◯文章のリライトによる複製
コンテンツを複製するとNGとなりますが、Googleに問題視されない程度に文章をリライト(文章修正)しアップすると複製扱いを免れられることがあります。
WELQはこれを活用し、微妙に参考元の文章を修正しアップすることでNGを免れていました。

具体的には、全く同じコンテンツだと複製行為になりNGになりますので、それを若干避けるため文章内の15%程度を目安に文章を変更すれば、グーグルからすれば別文章となりNGとならないと言われています。
WELQからランサーズやクラウドワークスなどで発注された仕事を、受けた人たちが参考元文章を手作業でリライトし、スパム行為とならないようコンテンツを作っていたようです。


手作業での作成は、コンテンツを自動生成するのではなく、あくまでコンテンツのリライトとして完成された別のモノを作成しているだけになりますので、こうすることで複製行為や自動生成行為ではなくなり、グーグルからのペナルティはなくなる可能性が高くなります。
でもまあこれって著作権を無視した行為なんですけどね・・・

で、その数、1日平均100記事!だそうです。
大企業しかできない力技ですね。


◯グーグルは起承転結が大好き
WELQは記事をwikipedeia風な起承転結タイプにすることに力を入れていたようです。
というのも、グーグルは起承転結タイプの文章が大好物。つまり箇条書きされた文章ではなく、論文タイプな文章こそしっかりとしたコンテンツだと考えています。

そのためWELQもページ内文章を起承転結にまとめ(実際はリライトされただけのほぼ複製ですが)、さらにそれをH1タグからH2、H3と順々に綺麗に紐付けていっているのでグーグルにはたまらない好物ということになります。
単に文章を起承転結にすることは、別に違反でも違法でもなく、起承転結の方が確かに文章読みやすいのでいいことかもしれません。


◯サジェスト検索のワードも全部もらっていくよ
サジェスト検索とは、何かのキーワードで調べると、その横にそのワードから推測されるキーワードが表示されるアレです。

WELQでは、例えば◯◯というキーワードを狙ったSEO対策をする場合、サジェスト検索で出現したキーワード(◯◯ △△)(◯◯ □□)(◯◯ ✕✕)の△△や□□、✕✕といったワードも同時にさりげなく見出しや主要部分に入れるようにしていました。
そうすることで、このページは、◯◯を強く意識させたページだとさらにグーグルに誤認識させることができてしまう訳です。

上手いというか、すごいというか、考えた人すごいです。


◯長い文章はグーグル大好き
さきほど論文のような文章はグーグルが大好物と書きましたが、論文といえば、そう長い文章ですね。

SEOテクニックの1つでページ内文字数を5000文字以上にすれば滞在時間が長くなりSEOに効果的と言われています。
滞在時間が長くなれば長くなるほど、このコンテンツは良い内容が書かれているのだから、ユーザーは長居しているのだろう、とグーグルは考えている訳です。

WELQもここにもちろん着目し、1ページ8000ページを目標にあえて文字数を増やす手法をとっていました。
ワード換算にすると、1ページ約1400文字なので5-6ページ分でしょうか。けっこうありますね。
また、画像をページ内に多くすると、ページ離脱率が下がる傾向にありますので、大量の画像を掲載するということも合わせて行っていました。

ただ、実際にはなかなか8000文字もの文章を他サイトからの複製とリライトだけで完成させるのは難しかったようで、1つの読み物が3000文字から5000文字程度が多かったみたいです。
やはり8000文字はなかなかハードルが高いですね。


◯結論
このように「手動な自動生成」と「リライトによるコンテンツ複製」を用いた1日100記事アップ、という大量の人員を投入した大企業ならではのスパム行為にはギリギリならないアナログ的な仕組みでグーグルペネルティを回避し、SEO対策に成功していました。

これはなかなか一個人や中小企業ができることではありません。
まさにDeNAという大企業だからこそできたSEO対策と言えますね。

ここまで大量にページ生成はできなくても、起承転結手法やサジェスト検索手法はそこまで難しい対策ではないので、SEO対策を考えるコンテンツ作りならやってみる価値は十分にあるかなと思います。




—————————————————-
元地方公務員から起業した社長ブログ
詳しいプロフィールはこちらを。

現役公務員の方向けの個別相談会を開催しています。
辞めようかどうしようかと悩んでいる方、これからの具体的な相談をしたい方など、現役公務員の方向けの個別コンサルティングです。
2012年夏から開始し、現在までにおよそ250名の方のご相談をお受けしていますので、お気軽にご連絡ください。
個別相談会についてはこちらをご覧ください。

国内最大級の公務員からの転職や起業情報サイト「公務員プラス」
http://www.yakuninhaigyo.com/
——————————————————–





Pocket