「未経験者も歓迎!」は本音?建前? 後編

昨日の続きです。
求人広告に『未経験者も歓迎!』とあるのは、半分本音、半分嘘だと書きました。
私の経験上の話として、これについて思うことをまずはあげてみたいと思います。
新卒採用ならいざしらず、本音で言えば、多くの企業はその分野の経験者を欲しいとやはり考えています。なぜなら単純にその方がすぐに即戦力になるからです。
では、なぜ「未経験者も歓迎」と書くのか。理由は以下です。
・とりあえず応募数を確保したいケース
応募条件を経験者に限定してしまうと、間口が狭くなりますので応募数は明らかに減ります。

ただ、未経験者の中には隠れた原石が埋もれている可能性も十分にあるかもしれません。
そのため、とりあえず応募だけしてもらって、採用するかどうかは書類選考や面接をして決めようか、ということはよくあることです。
・最低限の求人応募数を確保しないといけないケース

本来は応募数ではなく、実際の採用数、採用者の質に目を向けるべきですので応募数は問題ないように見えますが、人事担当者にも多くの場合、ノルマ(1人あたりの応募や採用は、○円以内で収めろなど)がかせられています。
例えば、「○円も求人広告費用をかけたわりに応募が1件だった・・」というのは社内の風当たりとしてよろしくない訳です。
そのため採用数や応募者の質はもちろん、最低現の応募数にも注意が払われ、「いや~応募はわんさかあったんですけど、あまりいい人材はいませんでしたね~。次頑張りますよ。」となっている場合は嘘のようですが本当に少なくありません。
・未経験でも問題ないと本音で思っているケース

あえて未経験者を採用し、一から育てあげたい、育てあげられる自信を持っている企業などです。
中途半端に知識や情報を持っている人よりも、全く何も知識を得ていない、真っ白な人のほうがすんなりと色々なことを吸収できると考えていますので、未経験者でも問題なく選考してもらえます。
まさに「未経験者も歓迎!」です。
ただこれらの企業が多いかと言えば、実際はあまり多くはないでしょう。
以上のことから多くの企業では、本音ではやはり即戦力になる経験者が欲しい。
ただ、そうは願っても、なかなか経験者限定にしてしまうと多数の方に応募してもらえる可能性も高くはないので、採用の門戸を広げるためにも「未経験者も歓迎!」という表現になっている、と考えてもらえればと思います。
これらを踏まえると、求人募集に『未経験者も歓迎!』とあったとしてもそのまま鵜呑みにしてはいけないことは分かってもらえると思います。
では、本音で未経験者でも欲しい(未経験者でもいい)と思っているのかどうかをどこで判断すればいいのでしょうか。
これは簡単なことで、「未経験者も歓迎」と書かれている項目の前後を読み通せば、だいたいのこと、つまり本当は経験者が欲しいと考えているのか、または未経験にも門戸が開かれているのかは分かります。
注目ポイントは、『応募条件』欄です。
ここに未経験可とあっても、補足でああだこうだ書かれている求人情報の担当者の本音は、やっぱり経験者に応募して欲しい、というものです。
おおかた、求人広告の営業マンに、
『う~ん、御社の(採用)条件、待遇ですと、あまり応募数を見込めないかもですよ。なので未経験者も歓迎にされた方がいいのではと考えます。』
と言われているのがオチでしょう。
と、昨日今日と求人情報の読み方について書いてみました。
私の経験上、求人情報をそのまま鵜呑みにするのはオススメできません。
多くの場合、多少なりとも脚色が入ってると思いながら見てもらうのがいいかなと思います。

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