誰かと一緒に起業するということについて

今回は、とてもよく起業志望家から聞かれる質問についてです。
それは、

「一人で起業した方がいいですか?それとも信頼できる仲間を見つけて起業した方がいいですか?」

という内容です。

アメリカのシリコンバレーなどのITベンチャー文化を持つ土壌では、起業とは一人でするものではなく、それぞれの専門分野を持つ人間数人が集まり起業するのが一般的なようです。

むしろ、複数人でないと「優秀な人材が集められなかったんだね」「たいした起業アイデアではなかったんだね」とマイナス評価をされることも多いそうです。

一方で日本はと言えば、一人起業でも複数人起業でもどちらが評価が高いということは全くありません。
ただ、個人的な意見と起業支援家(起業支援センターや専門家など)の多くでは、


起業とは複数でするものではなく、まずは1人で起業すべき。

という意見が大方ではないでしょうか。

意気投合した仲間や旧来の友人など複数で起業すると最初の頃はいいのです。
大きな夢に向かって、熱く語りあうことができ、苦しい時も励ましあったりすることができますので。

ただ、およそ以下の問題に遅かれ早かれ直面します。

・会社経営の方針を巡り揉め始める。
音楽バンドの「グループとの音楽性の違いを感じ始めた」と同じようなもんです。やはり少しずつのズレがじわじわと大きくなってきます。

・片方は社長として仕事を行い、もう片方はサラリーマンとして仕事を行ってしまう。
結局組織のトップである社長は一人しかできません。
それ以外の人間は徐々にサラリーマン感覚で仕事をしてしまうようになります。

・儲かった際の利益配分を巡って揉めやすい
儲からなかった場合の仲違いは想像しやすいと思いますが、逆に儲かった場合も仲違いをするケースも非常に多くあります。
経験上、複数で起業した場合や二人同時社長の場合など、多くのケースで最終的に揉めて喧嘩別れという結果を何度も見てきました。

特に20代半ばまで起業される方に限れば、1年以内に喧嘩別れしている割合は80~90%に達するのではないでしょうか。私の直感率ですが。

起業前後は、「これから会社を大きくしよう。共に苦難を乗り越えよう」と高い目標と夢が目の前にあり仲良くできるのですが、徐々に様々なことに対して温度差が生じていきます。

そして気がつけば、お互い些細なことですら気になってしまい、もはや共同経営なんてのは全くの絵空事になります。

一人で起業するのは、右も左も分からないので大変不安かと思いますが、私自身は2人以上で起業して上手くいった事例を見た記憶がほぼありませんので、起業は一人ですることをお薦めします。

一人で起業するのは不安なものですが、社長業とは常に孤独との戦いなので、慣れてしまえば全くどうということはありませんよ。

一人旅と同じです。
旅立つ前は不安でも、現地について数日もすればどんどんと慣れてきます。
同じようなもんです。

起業自体は一人でされても、周囲に信頼できる仲間や取引先も多くできてくると思いますので、勇気を出し、一人で起業することを目標にしてみてください!

Pocket