【回答】人事評価者制度に不安を感じています

先月から開始しました公務員プラスの新サービス、公務員’リクエストの回答です。
【ご相談内容】
人事評価者制度が導入され、上司によって昇給が決まるようになりました。正直とても不安です。上司の好き嫌いによってでしか判断されないのではないかと思うのです。営業の方でしたら営業成績とゆう明確な数字がありますが、公務員にはありません。現に他の上司から聴いた話によりますと僕自身の昇給が減らされたとのことでした。逆にいまの上司と仲のいい人はさらにアップしています(傍目からみても仕事ができるとは思いません)このような悩みをかかえている方は多いのではないかと思います。

【質問者プロフィール】

ニックネーム: マイクさん
年齢: 30代

今の職種:  地方公務員行政職
性別: 男性
【アドバイス】
マイクさん、ご質問ありがとうございます。
人事評価制度に関する質問ですが、マイクさんと同じような悩みを持たれている方は、公務員だけに限らず、民間企業でも多数おられます。
おっしゃるように営業職や販売職など成果が「数字」として表せやすい職種の方は、まだ多少は納得できる評価になりやすいですが、事務職や技術職、後方支援関係の職種の方などは明確な基準が設けられず、上司のさじ加減一つで評価をされているんじゃないか、と疑ってしまいますよね。
では、実際にはどうなのでしょうか?
個人的には残念ながらそのとおりというのが多いケースではないだろうか、と考えています。
私は3つの理由からこのような問題が発生していると感じています。

(1 そもそも評価制度自体が完璧ではない)

役所でも民間企業でもその会社の実情にあった評価制度を0ベースから作っているところは希です。というよりはほとんどないのではないでしょうか。
多くが他の成功事例と思われている制度を参考にしたり、外部コンサルタントに任せて作成しています。
そのため、評価制度を作ったものの、組織の実情とは合わずに、机上の空論化していることは頻繁に発生しています。
そうなると、マイクさんが感じられているように、上司の私情が挟まれやすい制度になっていたり、序列を評価しようがない職場に対しても無理やり序列を着ける必要があったりと、ちぐはぐな制度として運用されてしまう訳です。
(2 評価をするための訓練を受けている上司は多くない)
1の関連ですが、ちぐはぐな人事評価制度ではなく、その組織にそれなりには適応した評価制度ができたとします。
ただ、どのような仕組みもそうですが、仕組みを作っただけでは正しく機能はしません。その仕組みをどのように運用し、活用するのかという「評価するための教育や訓練」が実施されなければ、正しい運用は行えません。
例えば、部下を評価するためのマニュアルだけを渡され、「はい、ここに書いているとおり部下を評価していってください」となっても評価できませんよね。
評価できない場合、その後どうなるかと言えば、3番の結果になります。
(3 結局は上司も「人」)
評価するための訓練を受けておらず、評価マニュアルだけ渡された上司はどうするでしょうか。
「こんな分厚いマニュアル渡されても、何をどうしていいか分からないぞ。う~ん、どう評価していけばいいものか・・・」
と早晩なるのは目に見えています。
そうなると、
・彼は同僚から信頼を受けているようだから、仕事具合もいいのだろう
・彼は毎日毎日残業しているから頑張っているな
・彼はパソコンに強いから、そこそこ何でも仕事ができるんだろう
ならまだしも、
・彼はお酒の付き合いもいいし、趣味も近いからちょっと加点しといてやるか
・そういえば、彼の子供は今年入学だっけな。あまり悪い評価すると可哀想だな
など明らかに私情が評価に入ってきます。
そして残念ながらこの私情が挟まれた評価を改善させることは容易ではありませんし、役所のような巨大な組織では、なおさら難しいでしょう。
このため、「公務員の出世には酒はつきもの」と言われる訳です。
役所でも民間企業でも人事評価は想像以上に曖昧な制度ですので、納得できないことも多いかもしれませんが、残念ですが半ば納得して仕事をするしかないのかもしれませんね。。

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