【公務員からの教え 3-1】 おんぼろ庁舎との出会い

4月1日に大阪市役所入庁。経済局などでベンチャー関係の業務をしてやるぞ、と夢と希望に溢れる。
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4月2日から3週間のスケジュールで新人職員全体研修
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全体研修終了後に全く望んでいない「健康福祉局」へ配属辞令。まさかの方向性に心が折れかける。
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局内研修3日を経て「保健センター」へ配属辞令。

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保健!?何それ?全然想定してなかったんですけど・・・ ←いまココ
世間はゴールデンウィークを間近に控え、行楽情報など明るい話題で盛り上がっている。
一方わたしはと言えば、1ヶ月前には予想だにしなかった展開に困惑しかしておらず、ゴールデンウィークなんて何の興味も湧いてこなかった。
「なぜおれがいきなり保健センターなんだ。。。確かに配属なんて思い通りにはならないものだろうけど、神様そりゃないですよ。。。」
と、正直気持ちが1ヶ月前と比べて大きく落ち込んでいた。
落ち込んでいるというより、モチベーションをこの先も保てるのかと不安だらけだった。
そして、いまわたしは、職場の上司だろうと思われる50歳ちょっとのおっちゃんといっしょに配属先の保健センターへ向けて移動していた。
「へ~大学は同志社ね~ 大学で経済学とか勉強してたの??」
「大学院通ってたの?頭いいねキミは、大学院って行くの難しいんでしょ?」←今はほぼ誰でも入れる。
「ワシの息子も大学生でね、もう遊んでばかりだよ。キミはどうだったの?」
など一応はわたしに興味津々を持っていただいてる様子で、次から次へと質問攻めにあった。
それに対して、せっかく興味を持ってくれてるのはめちゃくちゃありがたいことだと、心象を悪くしたくないと思い、きっちり答えると、
「いやーしっかりと受け答えできてるね、頭良さそうだねキミは。
で、何で保健センターに配属されたの?
ときついツッコミが。
・・・・・・・
そんな質問されてもただただ困るしかなかった。
こっちこそ聞きたい。
なんでおれ保健センターに働くことになったんですか??と。
聞くと、大卒が保健センターに配属されるのは珍しいらしく、専門職以外の人では基本的に大卒の人はいないのが保健センターという職場らしい。
後から聞いた話では、大卒が配属されることは稀なので、わたしが配属されることを聞いたこの職場では、「早速何か問題を起こしたんだろう」、「何か問題を抱えているに違いない」、と思われ、だから保健センターに配属されたと思われたいたらしい。
考えてみればひどいもんだ(笑)
ただ、わたしが入庁する1,2年前から大卒は高卒と同じ扱いになり、一発目の配属はなるべく現場といわれる市民と接する職場に配属されることが多くなっていたようで、わたしの同期生2名も別の保健センターに配属されていた。
なので特段、わたしが何か問題を起こした訳ではないと今でも思っている。多分。
まあ採用部署が考えるには、まずは市民と接し、行政を現場から学んでこい、ということなのだろう。
こんなやりとりをしながら、ついに配属先の保健センターに到着した。
庁舎の前に立ち、見上げると庁舎は恐ろしく古く2階建て。
外壁は黒く汚れ、今にも崩落しそうな感じさえする。
その立ち姿は、いかにも役所という感じの雰囲気で、明るさなど何もない。
まさに「ザ・役所」というのにふさわしい庁舎に呆然とするしかなかった。
ここで働くのか・・・
六本木ヒルズまではいかないまでも、ある程度キレイな庁舎で働けるんかなって甘く考えるのが新卒というものなので、あまりにもこの庁舎との出会いは衝撃的だった。
マジかよ・・・
続く。

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