【公務員からの教え 2-12】 最終判定へ 「福祉か保健か・・・」

ガキの頃はそうでもなかったけど、大学に入った頃から基本的にわたしという人間は前向き思考というか楽観的な考え方をするほうだった。
だけど、部局配属で健康福祉局に配属された頃からのわたしは、もう前向きになれる要素を考えられる心持ちではなく、今日発表される局内配属先についても「期待」「希望」という気持ちはなく、○○にだけは配属されたくない、という「絶望からの願い」だけだった。

そしてついにその時、局内配属先の発表。
局内発表は、新人と通常異動(すでに職員となっている人たちの異動)が同時に行われ、さすが超大御所な健康福祉局、局内発表なのに100人以上はゆうにいる。
今回も最初の辞令の時と同じく座席指定で座らされた。
今回のわたしの座席位置は後ろよりのほう。
そう、この局の表示順位は先に民生部門の各部門、そしてその後に保健部門。
つまりこの時点で超ハードジョブが待っている民生部門ではなく保健部門に決定!
とりあえず安堵感に包まれたためだろうか、まだ未発表なのに一安心したわたしがいた。
「とりあえず最悪な事態は避けられた・・・」
ただ嬉しかった。
辞令発表が始まり、私の順番となった。
今回は辞令書をもらい、一礼したと同時くらいにのぞきこんだ。
すると、

「○△保健センター勤務」を命ずる。

※実際の保健センター名をここで出そうか悩みましたが、限定的・地域密着な名称ということもあり、このブログでは○△と表記させていただきます。
と書かれていた。
「?? なんだこれ? どこだこれ?」
というのが率直感想だった。
保健センターというところは、名前自体は予防接種などで聞いたことはあっても、ここ最近全く行ったことのない役所名。
「え~と、保健センターって何してるところだ?? 予防接種に・・・ あと犬の処理??」
独身の男にはあまり関連性のない役所名なので、まるでイメージが掴めなかった。
「まあとりあえず働きたい部署ではないけど、許容範囲内かな。でも保健センターか・・・なんかパッとしないな・・・」
という何とも複雑な気持ちになった。
しかも大学院時代に勉強し、役所の中でその分野の仕事に携わりたかった「ベンチャー」とは遠くかけ離れてしまったようにも感じた。
この1ヶ月前どころか、1週間前(まだ新人研修の最中)でさえ、まさか自分が「保健センター」の職員として働くとは夢にも思わなかったし全くの想像外。
サラリーマンは辞令1枚で仕事人生が大きく左右されるから、と学生時代に聞いたことはあったが、まさにこういうことなのかな、と複雑な気持ちの跡は妙に寂しくもなった。
辞令が終わると、新人たちには配属先からお迎えが来ていて、わたしの場合、50歳くらいの人の良さそうなおっちゃんが迎えにきていた。
わたしが、
「はじめまして。○△に配属になりました須田と申します。どうぞよろしくお願いします。」
と可もなく不可もない挨拶をすると、
「キミが須田くんか、まあ頑張って、じゃあセンターに向かうからワシに付いてきて」
と挨拶らしい挨拶もあっさりと終わり移動となった。
いよいよ今日からが本当の公務員生活の始まりだ。
いったい何が始まるのだろう。
どんな職場なのだろう。
怖い上司に先輩ってやっぱりいるのだろうか。
考え事はまるでつきない。
終わり。
次回からは 公務員からの教え第3章「新人1年目」 が始まります。
【まとめリンク 第2章 入庁】
1 入庁1週間前
2 入庁式1 決意新たに
3 入庁式2 労働組合の勧誘
4 意味のない新人研修の始まり
5 日々飲み会に精進
6 新人研修とは何だったのか
7 希望配属先面談
8 配属辞令の交付
9 運命の分かれ道
10 局内研修の開始
11 局内研修
12 福祉か保健か

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